連続立体交差事業の実例は?西宮市の取り組み

開かずの踏切をなくそう

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西宮市の取り組み

西宮市の取り組み
    
阪神の中核市でもある西宮市は大阪市と神戸市の中間に位置している都市です。そのため、列車の本数や乗客も多く、交通渋滞に悩まされているため連続立体交差事業は急務な事業です。

西宮市ってどんなところ?

西宮市は兵庫県の南東部に位置し、人口約48万人の文教都市です。市の北側には六甲山系が、南側には大阪湾が広がっており自然豊かな都市です。阪神間・北摂エリアで住まい探しをサポートしている不動産会社「株式会社ウィル」のホームページでは西宮市をこのように紹介しています。
西宮市は大正時代から住宅地の開発が始まり、苦楽園、甲陽園、香櫨園、甲東園などの西宮七園と呼ばれる場所の他、人気の住宅地が各所にある街。市内の南は平野部、北は山間部になっており、東端は武庫川、南端は大阪湾に面しています。リクルート住まいカンパニー SUUMO(スーモ)が行っている「2017年の住みたい街ランキング(関西)」では、西宮北口駅が1位を獲得しています。また高校野球の聖地『甲子園球場』、えびす神社の総本社『西宮神社』があることでも有名。海沿いは西宮郷と今津郷と呼ばれる酒どころとしても知られています。
歴史的遺産も多く1000年以上昔の記録にも名前が残っています。さらに市内には、高校球児の聖地でもある甲子園球場もあるため、夏になれば高校野球ファンが数多く訪れにぎやかになります。 西宮市は酒造業を中心に食品加工業が盛んで全国でもトップクラスの出荷額を誇っています。また、食品加工業だけでなく市の南部には阪神高速道路や中国自動車道があり物流拠点としても条件がよいことから、運輸業も盛んな都市です。 1995年には阪神・淡路大震災によって甚大な被害が出ましたが、震災時の被害を教訓として、安全に暮らせる街づくりに力を入れています。

西宮市の連続立体交差事業

西宮市でも交通渋滞の緩和や安全対策、都市の活性化を目指して連続立体交差事業が進められています。特に、甲子園駅~武庫川駅の区間には踏切が6か所もあり、慢性的な交通渋滞に悩まされています。これらの問題を解決するために、西宮市では線路を高架化し6か所の踏切を撤去する工事を行っています。 この工事は兵庫県が主体となり、西宮市、阪神電気鉄道株式会社の3社で行い、平成30年に完了予定です。

鳴尾駅の高架化完了

甲子園駅~武庫川駅の間には6か所の踏切がありますが、その中心にあるのが鳴尾駅です。そのため鳴尾駅の高架化工事が進められていました。 2009年に工事に着手し、2015年3月には下り線が、2017年3月には上り線の高架切替が完了しています。これにより鳴尾駅は全面的に高架化し、今までの交通渋滞や事故の懸念から解放されました。兵庫県の発表によると踏切遮断時間は約40%減少し、工事前に最大340メートルあった交通渋滞は約三分の一の110メートルに縮小することができたそうです。

連続立体交差事業が2019年3月に完了(2020年9月25日追記)

甲子園駅~武庫川駅の間の6か所の踏切も、事業期間約15年(2003年度~2018年度)を経て、ようやく立体交差事業が完了しました。事業区間は約1.87km、事業費は約297億円でした。事業が始まる前にさかのぼれば、1981年に西宮市議会で「阪神本線甲子園・武庫川間の高架化促進についての請願」が採択されたことからスタートし、阪神淡路大震災後には震災復興事業として位置づけられ、基礎調査や地元説明会を重ね2003年に事業認可を得て、用地買収や設計といった具体的な計画に至っています。工事着工はそれから5年、2008年度に入ってからでした。2011年7月に仮上り線(大阪方面行き)、2012年10月に仮下り線(神戸方面行き)、2015年3月に下り線、2017年3月に上り線をそれぞれ高架に切り替え、2019年3月に側道側の整備を終えて、ついに事業が完了となりました。この工事によって6か所の踏切がなくなり、鳴尾・武庫川女子大前駅(2019年10月に「鳴尾」駅から改称)が高架駅として整備されました。 6か所の踏切は、東西に走る阪神電車の線路と南北に走る4本の市道および2本の都市計画道路が平面交差していましたが、高架化したことにより、南北移動の利便性が大幅に改善されました。阪神電車の南側を走る阪神高速道路3号線と5号線の出入口が近くにあり、工場なども多いことから輸送車両も多く走る道路で、地域住民の生活範囲の拡大や安全面への効果だけでなく、物流の円滑化への効果も出ていると考えられます。

完成後の効果など(2021年10月2日追記)

阪神電鉄本線鳴尾駅付近連続立体交差事業 (事業概要) – 兵庫県」によると、踏切がなくなることによっての様々な事業効果が見られるようです。 ・交通渋滞の解消 ・踏切事故の解消 ・自動車の平均走行速度の向上(13.6km/時速→26.4km/時速) また、交差部(踏切6箇所+親切の交差3箇所)の交通需要も約1.2倍に増加しています。 その他、近隣の武庫川女子大学の学生と駅舎をデザインしたり、地域住民や学生への学び・健康維持などの場を整備することで、地域と共生する「まちづくり」が実現しています。

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全国に点在する開かずの踏切

日本全国にある開かずの踏切はおよそ600か所ですが、そのうち半数は東京都内にあります。また、その開かずの踏切の中でも特に踏切遮断時間が長い踏切は東京や大阪、名古屋に集中しています。踏切は列車だけでなく歩行者や自動車などさまざまな手段で通行することができるため、安全面を考慮して事故の原因となりうる開かずの踏切の改善は国土交通省からも義務付けられています。

連続立体交差事業とは?

開かずの踏切の解消に有効な連続立体交差事業は、線路を高架化もしくは地下化することで踏切自体を撤去する工事です。高架化には仮線方式、別線方式、直上方式の3つの方式がありますが、仮線方式や別線方式の場合は周辺の用地の確保が、直上方式の場合は最終列車の発車以降しか工事できないため夜間しか工事ができない、といった問題点もあり、工事が完了するまでにはかなりの時間が必要となります。

連続立体交差事業のメリット

連続立体交差事業によって線路が高架化されると、ホームの増設もできるため相互発着が可能になります。相互発着により同時に2本の列車がホームに乗り入れることができるため列車の運行本数を増やすことができ、満員電車の混雑の解消にもつながります。また、小田急線のように線路を地下化することで複々線化も可能になるため、急行と各駅停車が分けられ、よりスムーズに運行することができます。

京都市の取り組み

洛西口駅付近で行われている連続立体交差事業は交通渋滞の解消や地域の活性化を目的として行っているため、線路の高架化だけでなく街づくりもかねて自転車や歩行者用の関連側道工事も行っています。高架化の切替工事は完了し、工事前に比べると踏切の遮断時間もだいぶ短縮され、開かずの踏切によって引き起こされていた交通渋滞の問題もだいぶ改善されています。