連続立体交差事業の実例、京都市の取り組みをみてみよう!

開かずの踏切をなくそう

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京都市の取り組み

京都市の取り組み
    
京都市では西京区の洛西口駅付近で連続立体交差事業を行っています。この地域は交通の便もよく、特に桂川駅は各方面のバスターミナルにもなっているため利用客も多く、安全対策に配慮が必要です。

西京区ってどんなところ?

西京区は桂川より西に位置しています、と言われてもなかなかイメージしにくいかもしれません。観光スポットとしても有名な桂離宮や鈴虫寺とも言われる華厳寺のある地域が西京区です。 西京区は少し前までは交通アクセスはあまりよくなかったため住みにくいイメージがありましたが、最近は交通アクセスもよくなり、大学施設や商業施設も増えてだいぶ住みやすくなりました。特に、南西部の洛西エリアは洛西ニュータウンという大規模な計画住宅団地があるため、大勢の人がそこで生活をしています。徒歩での移動は難しいエリアなので自転車や自動車、JRを主な交通手段として使用しています。京都府南部で多くの賃貸物件を取り扱っている「京都ライフ」のホームページでは洛西エリアをこのように紹介しています。
阪急洛西口駅の周辺エリアには再開発がすすむJR桂川駅があり、桂川駅周辺には大型商業施設のイオンモール桂川もオープン。新築の賃貸マンションも多く建築されています。 洛西口周辺は瀟洒な住宅が並び、緑も豊かで小さなお子さんを育てるのにも適した住環境です。それゆえファミリー向けの賃貸物件もおおいエリアです。

京都市の連続立体交差事業

京都市でも交通渋滞の解消や地域の活性化を目的として、洛西西口駅付近で連続立体交差事業を行っています。 2013年には上り線の高架化を、2016年には下り線の高架化への切替が完了となり、上下線どちらのホームも運用を開始しています。引き続き、自転車や歩行者用の関連側道の設置などの高架化整備工事を行っていますが、それらすべての工事が終わるのが平成29年末とされています。

連続立体交差事業の効果は?

高架化により、交通渋滞を引き起こしがちだった変電所上手、物集女、川岡下三番の3つの踏切を撤去することができました。 踏切の撤去により、物集女踏切では1日のうち8時間ほどあった渋滞時間が5時間ほどに、川岡下三番踏切では7時間ほどの渋滞が4時間半ほどにとそれぞれ時間を半分ほど短くすることができました。また、踏切の通過時間も約6分20秒から約2分40秒に減り、渋滞の長さも300メートルから170メートルと大幅に減少しました。 高架化への切替工事には長い年数が必要ですが、既線から高架化への切替作業自体はそれほど時間もかからないため、最終列車が通過した後の時間を使っておよそ一晩で終えることができます。

洛西口駅付近の工事完了とその後(2021年10月2日追記)

2008年頃から工事が開始された洛西口駅付近の事業は、2016年に全線の高架化が完了、2018年3月に山陰街道交差点、桂寺戸線、久世北茶屋線交差点等の周辺道路の整備工事が完了して、予定通り平成29年度末に事業の完了を迎えました。この事業によって円滑な交通環境が実現され、山陰街道で6件/年、久世北茶屋線で17件/年の頻度で起こっていた踏切事故が無くなりました。また、阪急京都線の高架化が完了したのちに、軌道西側に自転車歩行者用道が整備されたことにより、鉄道によって東西に分断された状態が解消され、人の行き来が活発になっています。 2018年10月には、本事業で創出された高架下の空間を利用し、阪急電鉄株式会社が運営する複合施設「TauT(トート)阪急洛西口」がオープン。ペアで連なる高架の柱を表すTとTがつくる高架下空間で人と人が出会う(au)ことを表現し、「TauT」の名がつけられています。京都市と阪急電鉄が協力して行う街づくりのテーマとして「地域交流・子育て・分か・観光・健康・防災」が掲げられており、それぞれのテーマに沿って、商業施設だけでなく公共施設も整備し、高架下全体は緑地や災害対応型自販機も配置されるなど、開発が進められています。

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全国に点在する開かずの踏切

日本全国にある開かずの踏切はおよそ600か所ですが、そのうち半数は東京都内にあります。また、その開かずの踏切の中でも特に踏切遮断時間が長い踏切は東京や大阪、名古屋に集中しています。踏切は列車だけでなく歩行者や自動車などさまざまな手段で通行することができるため、安全面を考慮して事故の原因となりうる開かずの踏切の改善は国土交通省からも義務付けられています。

連続立体交差事業とは?

開かずの踏切の解消に有効な連続立体交差事業は、線路を高架化もしくは地下化することで踏切自体を撤去する工事です。高架化には仮線方式、別線方式、直上方式の3つの方式がありますが、仮線方式や別線方式の場合は周辺の用地の確保が、直上方式の場合は最終列車の発車以降しか工事できないため夜間しか工事ができない、といった問題点もあり、工事が完了するまでにはかなりの時間が必要となります。

連続立体交差事業のメリット

連続立体交差事業によって線路が高架化されると、ホームの増設もできるため相互発着が可能になります。相互発着により同時に2本の列車がホームに乗り入れることができるため列車の運行本数を増やすことができ、満員電車の混雑の解消にもつながります。また、小田急線のように線路を地下化することで複々線化も可能になるため、急行と各駅停車が分けられ、よりスムーズに運行することができます。

京都市の取り組み

洛西口駅付近で行われている連続立体交差事業は交通渋滞の解消や地域の活性化を目的として行っているため、線路の高架化だけでなく街づくりもかねて自転車や歩行者用の関連側道工事も行っています。高架化の切替工事は完了し、工事前に比べると踏切の遮断時間もだいぶ短縮され、開かずの踏切によって引き起こされていた交通渋滞の問題もだいぶ改善されています。