開かずの踏切とは遮断機が下りた状態が長く続き、通行が困難な踏切のことです。駅に近い踏切や運行本数の多い踏切に多くみられますが、具体的には1時間のうち40分以上も遮断機が下りている踏切のことを指します。開かずの踏切を待っている間長いため余計なストレスがかかってきます。そのため、待ちきれなくて無理に踏切を渡ろうと事故に巻き込まれている人もいます。渋滞を減らし事故を防ぐためにも開かずの踏切の対策は必要不可欠です。
開かずの踏切の概要
交通渋滞を引き起こす原因のひとつに開かずの踏切があります。開かずの踏切は大都市だけに限らず全国に点在しており、交通渋滞だけでなく踏切事故の原因にもなるため、早期の解決が望まれていました。開かずの踏切で失う時間は1日あたり約16時間と決して少なくなく、また、開かずの踏切によって物流が妨げられたり緊急車両が通れなくなったりといった問題もあります。それらを防ぐために、線路を高架化したり道路をアンダーパス化したりとさまざまな取り組みがなされています。
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全国に点在する開かずの踏切
日本全国にある開かずの踏切はおよそ600か所ですが、そのうち半数は東京都内にあります。また、その開かずの踏切の中でも特に踏切遮断時間が長い踏切は東京や大阪、名古屋に集中しています。踏切は列車だけでなく歩行者や自動車などさまざまな手段で通行することができるため、安全面を考慮して事故の原因となりうる開かずの踏切の改善は国土交通省からも義務付けられています。
連続立体交差事業とは?
開かずの踏切の解消に有効な連続立体交差事業は、線路を高架化もしくは地下化することで踏切自体を撤去する工事です。高架化には仮線方式、別線方式、直上方式の3つの方式がありますが、仮線方式や別線方式の場合は周辺の用地の確保が、直上方式の場合は最終列車の発車以降しか工事できないため夜間しか工事ができない、といった問題点もあり、工事が完了するまでにはかなりの時間が必要となります。
連続立体交差事業のメリット
連続立体交差事業によって線路が高架化されると、ホームの増設もできるため相互発着が可能になります。相互発着により同時に2本の列車がホームに乗り入れることができるため列車の運行本数を増やすことができ、満員電車の混雑の解消にもつながります。また、小田急線のように線路を地下化することで複々線化も可能になるため、急行と各駅停車が分けられ、よりスムーズに運行することができます。
京都市の取り組み
洛西口駅付近で行われている連続立体交差事業は交通渋滞の解消や地域の活性化を目的として行っているため、線路の高架化だけでなく街づくりもかねて自転車や歩行者用の関連側道工事も行っています。高架化の切替工事は完了し、工事前に比べると踏切の遮断時間もだいぶ短縮され、開かずの踏切によって引き起こされていた交通渋滞の問題もだいぶ改善されています。